Single versus multiple visits for endodontic treatment of permanent teeth: a Cochrane systematic review. [J Endod. 2008]
2008年の一回治療と複数回治療を比較した総説です。
結論としては・・・・
一回治療と複数回治療で成功率の差はなかった。一回治療の患者のがやや腫脹する頻度が高く、有意に痛み止めを使う傾向が強かった。
Passways of the pulp 7th editionでは一回法治療のガイドラインとして、次のように記されています。
1.問題併発のない生活歯
2.折れてしまったポストを必要とする前歯
3.最後まで通院できない人
4.抗生剤の予防投与を必要とする医学的問題のある人
5.問題併発のないろう孔のある失活歯
6.手術室で鎮静を必要とする人
禁忌として
1.痛みがある、ろう孔のない失活歯
2.形態異常、または手技的に困難
3.ろう孔がなく、根尖透過像があり、無症状な大臼歯
4.急性根尖性歯周炎
5.再治療の歯
私が思うに、
正しい根管治療を十分な実力を持つドクターが、十分に時間があるときに一回治療を行なうべきであり、術者としての最大のメリットは、根管の感覚を忘れないうちに、根管充填までできること、水酸化カルシウムを取る手間が省けることなどが上げられると思います。一番困るのはflare-upのときですが、パスウェイのガイドラインには、そういった観点から、ろう孔のある歯と記されています。しかし、ろう孔のある歯が本当に一回治療の適応なのかどうか、個人的には疑問です。ろう孔が消えるのを確認して、根管充填に移行すべきではないかと個人的には思います。