歯牙移植のトレンド
自分の歯を、他の部位に移植することを自家歯牙移植と言います。一般に、親知らずなどの大臼歯を用いる事が多いですが、矯正治療で抜歯した小臼歯を使用する事もあります。
自家歯牙移植自体は、古くから行われてきた手技ではありますが、近年の自家歯牙移植においては、まず術前にCT画像より、移植歯の大きさや、形態を把握し、移植したい場所に適合できるか判断します。移植可能と判断した後、CT画像から、移植歯のレプリカ模型を作成します。このレプリカ模型については、近年の3Dプリントの技術的向上により、実際の歯と近似した模型を製作することができます。レプリカ模型を使用し、移植床の形成(骨の形成)を行います。その後、移植歯の抜歯を行います。移植床が事前に形成されているので、移植歯の抜歯後、短時間に歯の移植が完了します。短時間の移植により、移植歯の定着率が高まり、成功率がアップします。
A.ドナー歯(移植に用いる歯)のレプリカ模型の作製
B.レプリカ模型を使用して、移植床の形成
C.移植床の形成が終わったところ
歯の移植の手順
- 模型やCTによる診断
- ドナー歯にジグリングフォースを加える
- サージカルガイド(歯牙移植ガイド)とドナー歯(移植に用いる歯)のレプリカ模型の作製
- 移植に用いる歯の抜歯
- 移植、移植歯の固定
- 移植歯の根管治療
- 移植歯にクラウンを作製