クロルヘキシジンとヒポクロ

次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は組織溶解作用と、殺菌作用から根管洗浄液として主流である。
しかし、NaOClは根尖歯周囲組織に為害性があること、難治性の根管から検出されるEnterococcus faecalisは好アルカリ菌であり、NaOClが効果的でないことから、組織為害性が少なく、広範囲な抗菌スペクトルを持ち、Enterococcus faecalisに有効とされる2%クロルヘキシジン(CHX)の使用が推奨されている。

・クロルヘキシジン(CHX)

Chlorhexidine gluconate. (Aust Endod J. 2005)
ヒビテン(グルコン酸クロルヘキシジンを5w/v%含有)

・次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)

ネオクリーナー(10%)
ピューラックス(6%)

【文献】
Antimicrobial efficacy of 4.2% sodium hypochlorite adjusted to pH 12, 7.5, and 6.5 in infected human root canals.(Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2009)

→Enterococcus faecalisにNaOClは奏功しにくい

Enterococcus faecalis: its role in root canal treatment failure and current concepts in retreatment.( J Endod. 2006)

→総説。Enterococcus faecalisには、2%CHXとNaOClの併用がもっとも効果的である。

Postoperative pain following the use of two different intracanal medications.( Clin Oral Investig. 2008)
にあるように、術後の痛みがCHXとNaOClに差がないとの報告があることから、個人的には、これまで通り、根管洗浄に5%NaOClを用い、根管充填前にEDTAとNaOClを併用しようと思います。CHXは治りの悪いケースに使用を検討する程度でしょうか?理論的には全てのケースに使用するべきなのかもしれません。

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