治療法2 MTAを用いた直接覆髄(ちょくせつふくずい)

MTAセメントは、 1993年にTorabinejadにより開発されました。その成分はなんと、工業用のセメントとほとんど一致しており、次のような成分が含まれています。
tricalcium silicate, dicalcium silicate, tricalcium aluminate, tetracalcium aluminoferrite, calcium sulfate and bismuth oxide
そのMTAセメントの特徴は、次のようなものです。
1.生体に害が少ない
2.封鎖性が高い
3.水分があっても固まる
4.PHが12.5あり、水酸化カルシウムの性質(硬組織誘導能)を有する

虫歯が深く、神経が露出すると、神経を保存するために、その露髄面を封鎖しなくてはならない時があります。材料が直接的に歯髄に接触し、封鎖することを直接覆髄(ちょくせつふくずい)といいます。
直接覆髄材に求められる理想的な性質として、神経に触れても害が少なく、水分があっても密封できて、かつ露髄面が再び硬組織で修復できるように硬組織誘導能をもつ事などが上げられますが、こうした条件を満たすセメントとして、MTAセメントは非常に高い評価をうけています。

治療手順
ラバーダム→虫歯の除去→露髄面をヒポクロで洗浄→MTAセメントで封鎖→コンポジットレジンで封鎖